早産予防クリニック

ビル2、1階
毎日 午前7時-午後10時

早産の予知と予防

「早産」とは、妊娠22週~36週までのお産のことをいいます。その一歩手前の状態を「切迫早産」といいます。早産で生まれてくる赤ちゃんは未熟なため、合併症のリスクがあり、特に週数が早い場合には生命に関わることもあります。過去に早産を経験した方、子宮頚管の短い方、多胎妊娠の方、高血圧、糖尿病、膠原病等の合併症妊娠の方は、早産のリスクが高くなります。早産予防クリニックでは、早産のリスクを軽減する治療計画を、専門医が立てて妊娠中の管理をしていきます。

治療結果:

  • 「3Pコンセプト」により、早産のリスクを50%軽減(WHO目標値との比較)
  • 妊娠前スクリーニングによる遺伝疾患の予防(99%の精度)

 

サミティヴェート早産予防クリニック

治療ガイドライン

1. 予測(Prediction)

早産には、既往歴、現病歴、生活習慣、社会的因子などの様々な原因がありますが、それらをきちんと患者さんから伺い、検査をして、早産を予知することが非常に重要です。

  • 【既往歴】 前回早産した妊婦は「高リスク」に分類します。
  • 【現病歴(子宮頸管長の短縮)】 子宮の入り口の長さを子宮頸管長といいます。子宮頸管長が短いと早産のリスクが高いことが知られています。超音波検査で子宮頚管長を測定して、25 mmよりも短ければ、早産のリスクがあると判断します。

通常は、妊娠16週~24週の間に子宮頚管の長さを確認しますが、これまでの経験から、妊娠12週~13週が最も正確な検査が可能であることがわかっています。妊娠12週で検査をすると、子宮腔内にスラッジ(羊水に漂う浮遊物)が溜まっているかどうかも確認することができ、スラッジが確認された場合は、すぐに炎症や早産のリスクを軽減させる薬を投与します。処置せずに放置すると、早産の可能性があります。

胎児性フィブロネクチンの検査も行います。胎児性フィブロネクチンは胎嚢を子宮内膜に接着させる「のり」の役割を果たしており、子宮が収縮することで膣内に流出します。胎児性フィブロネクチンが検出されると、早産のリスクが高いことを意味します。

2. 予防(Prevention)

早産の危険因子が発見された場合には、天然プロゲステロンを処方して子宮の収縮を予防します。

天然プロゲステロンで効果が得られず、子宮頚管が長くならないこともあります。この場合は、子宮頚管ペッサリーもしくは、頸管縫縮術で子宮頚管を補強します。子宮頚管ペッサリーは、従来の治療法よりも簡単でコストもかからず現在主流の方法です。処置後はすぐに帰宅できます。

3. 健康増進(Health Promotion)

上記の2つの方法で効果が得られず、切迫早産による痛みがある場合は、子宮収縮を抑制する薬を投与して、48時間以上陣痛を遅らせた後、ステロイドを投与して、胎児の肺の成熟を刺激し、脳出血を防ぎます。このような処置の後に分娩し、NICUで胎児を集中治療します。NICUには新生児治療専用の最新機器が完備され、新生児科専門医が常駐しています。上記に加えて、早産予防クリニックでは、定期的な乳児の検診と発育評価を行い、早産児の状況を継続的に観察していきます。

遺伝子スクリーニング・診断(プレシジョン・メディシン)

  • 妊娠出産を望むご夫婦の遺伝疾患の有無を検査
  • 遺伝子的不妊原因の検査
    • 不妊カップルの遺伝子検査
      • 着床前遺伝子スクリーニング:常染色体性劣性遺伝や伴性(X染色体)劣性遺伝の検査、発見率4%
      • 着床前診断(PGD)(次世代シーケンサー(NGS)):着床前の胚(受精卵)の遺伝疾患の原因遺伝子を検査、95%の精度で生まれてくる赤ちゃんの遺伝疾患を予防
      • 着床前スクリーニング(PGS)(次世代シーケンサー(NGS)):胚の染色体を検査し正常な胚を移植することで、妊娠の成功率増加(30%→50%)、50%以上の胚に染色体異常の検出
      • 胚選別:胚の活性度を確認するためのミトコンドリアDNA検査、胚移植の成功率増加(0%→59~81%)
      • 子宮内膜着床能検査(ERA)(238の遺伝子分析):25%の女性で、子宮内膜の状態が着床に適していない時期と診断(妊娠の成功率は半減、100%流産)
      • 不妊症遺伝子検査(準備中):遺伝子検査による不妊の原因特定
    • 胚移植の失敗や反復流産につながる免疫性不妊症
      • 自己免疫性抗体:抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体、抗核抗体(ANA)、抗ミトコンドリア抗体(準備中)
      • 血栓性素因スクリーニング
      • 免疫検査
        • NK細胞、免疫表現型
        • 細胞内サイトカイン比率(Th1細胞/Th2細胞)(妊娠成功率39%)
      • 胎児遺伝子異常検査
        • 妊娠前または妊娠初期の遺伝疾患のスクリーニング:常染色体劣性・伴性劣性遺伝疾患の検査
        • 非侵襲出生前検査(NIPT):母体血液中の胎児DNA検査によるダウン症の特定
        • 出生前診断(PND):絨毛採取(CVS)、羊水穿刺、臍帯穿刺
        • 核型分析、染色体マイクロアレイ解析(CMA)、次世代シーケンサー(NGS)
        • 胎児遺伝子診断:全エクソームシーケンサー、全ゲノムシーケンサー(研究中)
      • 不妊の方、胚移植に失敗された方、流産を繰り返す方向けの免疫検査