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新型コロナウイルス感染症「抗体検査」「抗原検査」について~よろず相談から抜粋~ タイ・バンコク

新型コロナウイルスの感染状況を分析するため、感染したかどうかを調べる大規模な抗体検査が各国で進められています。「サミティヴェートでは抗体検査ができるのか」「抗原検査はできるのか」という質問が相次いで寄せられていますので以下に検査の意義や背景についてご説明します。 

 

※PDF版はコチラ

 

Q: 新型コロナの抗体検査はサミティベート病院では行っていますか?また、検査の結果「抗体あり」と判定されたら再感染のリスクは少ないのでしょうか?

A:

ウイルス抗体検査は、「かかっていた病気は何か」、「過去に特定の病気にかかったことがある(≒免疫がある)か」、という2つに答えるために行うものですが、抗体があるから大丈夫、ないから危ないとシンプルに判断できるのは、はしかや風疹といった幾つかの限られた病気でしかありません。

 

逆に、かかっても抗体がなかなかできない、早くなくなってしまう、あるいは抗体を持っていてもかかってしまうという病気も結構たくさんあり、RSウイルスや旧来のコロナウイルスもそういう性質を持つといわれています。

 

新型コロナウイルスに関して、感染、発病者が、1)どの程度の抗体を、2)どのくらいの時期に、3)いつまで保有しているのか、さらに、4)抗体がどの程度あれば感染を防御できるのかという情報がまだないため、一般論として、1)かかればなにがしかの抗体はできる、2)1年以上たてば分からないが、すぐに再感染する可能性はかなり低い、ということぐらいしか言えません。

 

現時点での抗体検査の問題は、

1. 感染を防御できる抗体の値がいくらなのかがわかっていないこと

2. 現在流通している抗体検査の精度自体が保証されていないこと

→体内に抗体があっても「陰性」とでてしまう可能性(偽陰性)

→構造がよく似た他のウイルスに対する抗体を検出して「陽性」となる可能性

が挙げられます。

 

よって、個々人の抗体検査の結果を以て、「すでに感染した」、「再感染の恐れはない」、「周囲にとって安全である」といずれも言い切ることができないのです。

 

では、今なぜ色々な国で大規模な抗体検査をしているのでしょうか。50万人が住んでいるある地域で、PCR検査陽性になった1000人のうち50人が亡くなったとします。見かけ上の死亡率5%はウイルスの病気としては結構高いので、これは大変だということで大騒ぎになります。しかし、1万人の集団を調べてみて抗体保有者が10%、1000人いたとすると、地域全体では感染者が5万人もいることになります。そのうち50人の死亡ということは、本当の死亡率は0.1%!いくら検査の信頼性が低いといっても3倍以上間違うことはないわけで、そうするとPCR検査だけで死亡率が5%と言っていたのが、実は0.1-0.3%だったなどと修正できる可能性があるわけです。そうなると、大規模なロックダウンはそろそろ解除できそうといった政策上の判断ができます。つまり、疫学調査としてはしては非常に有用ということになります。半面、個人で3倍間違われるということは、半分以上誤判定するという一か八かの検査になるわけで使えませんよね。

 

以上、長くなりましたが、「抗体検査はできるが、個人に抗体検査をする意味はない。大規模な疫学調査としては抗体検査は有用」という結論になります。

 

Q: 新型コロナの抗原検査はサミティベート病院では行っていますか?インフルエンザと同じような意味があるのでしょうか?

A:

近々迅速に行える抗原検査も市販されるようです。PCR検査はウイルスの遺伝子の存在を検出する検査で時間がかかりますが、抗原検査はウイルスの断片と抗体との反応を検出する検査で、10数分で結果が出ます。ただし、この検査は偽陽性も偽陰性も非常に多いことが知られていて、あくまでも医療施設などでいち早く隔離を行うための補助診断として用いられるべきです。それ以外では、地域を大きな流行が襲った時や、濃厚接触が発生した集団以外に行っても意味がないと考えられます。

 

サミティヴェート病院スクムビット

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